残業や夜勤が多くて、今の職場が「きつい・辛い」と感じているなら診療所(クリニック)への転職が良いかもしれません。そもそも、クリニックと病院ってどう違うのでしょうか。
クリニックという言葉をよく耳にしますが、実際に病院とどう違うのか知っている方は少ないかもしれません。医療法によると、病院は「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するもの」、クリニックは「医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と明らかに違います。病院も診療所・クリニックも同じ医療施設ですが、入院施設の有無や病床数によって法律で明確に区分されています。
厚生労働省のデータだと、看護師の月々の平均給与は約32万円、年間賞与(ボーナス)は87万円、平均年収は約475万円となっています。看護師の平均年収は勤めている地域、施設などによってもかなり違います。例えば企業規模が1000人以上の場合、月収34万円、年間ボーナス約100万円に対して、企業規模10人~100人未満なら月収は30万円、ボーナス73万円、年収440万円弱です。さらに病院より規模が小さい診療所・クリニックで働く看護師の平均年収は300万円から400万円と言われていて看護師全体の収入相場より少ない金額になっています。診療所・クリニックで働く看護師の方の収入が少ない理由は看護師の給与の1割以上を占めるといわれている夜勤手当・残業などの時間外勤務手当がほとんどないからです。
看護師の離職理由として、夜勤が辛いことと残業が多いことが常に上位にランクインしています。入院施設のない診療所・クリニックなら、入院施設の多い病院に比べて残業時間もかなり少ないですし、夜勤もありません。診療所・クリニックが転職先として人気があるのは、夜勤もなく残業も少ないので看護師の資格を活かしたいし家庭と仕事の両立や自分の時間を持ちたいと考えている看護師にとって条件に合う職場だからなのです。
診療所・クリニックで働くために必要なスキルは、看護師の基本技術である注射や点滴ができることです。注射や点滴は意外と看護師によって技量の差がありますが、教育係が少ない診療所・クリニックでは技術的な部分を教わりながら仕事を覚えるということが難しいからです。看護師としての基本的なスキルが問題ないのであれば、新たに診療科ごとに専門知識を身につけることはそう難しいものではありません。もちろん経験があって知識がある診療科に勤務するに越したことはありませんが、未経験の診療科であるからといって躊躇する必要はありません。
サイトについて
看護師は常に人材不足の職業です。それには様々な要因がありますが、離職者が多いことも大きな原因です。せっかく就いた看護師の職業ですから、できれば離職ではなく転職の道を選んで欲しいというのがこのサイトを立ち上げた理由です。転職によって年収は減っても体力的に楽になるケースもありますし、今と同じ仕事の内容で年収を増やす道もあります。